平成29年度 学校保健委員会

平成29年11月29日(水)

協議テーマ:「二高生の睡眠と学校生活」

 本校では、「起床時刻」、「学習開始時刻」、「就寝時刻」の3つを自分で定め、それに応じてその他の行動を決めていく、生活の3点固定を進めている。進路指導部でも、「3点固定、睡眠6時間の確保、スマホ利用のルール設定」などを指導し、また、早朝学習の取り組みは、「規則正しい生活を通じて生活リズムが確立する」ことを目指している。
 そういった取組の一方、睡眠不足を含めた慢性的な疲労が原因と思われる心身の不調を訴えてくる生徒、「授業中の居眠りが気になる」といった生徒自身の声も聞かれた。
 今回の学校保健委員会では、生徒の睡眠の実態や生徒保健委員会の取り組み等をもとに、今後家庭と学校が協力し、生活習慣等の自己管理ができる生徒の育成を図りたいと考え、意見交換を行った。今後も、生徒が自ら生活習慣を振り返り、日常の睡眠や学習習慣を改善し、高校生活をもっと有意義なものにできるように支援していきたい。

1 睡眠調査結果
  1. 睡眠時間
  2. 起床時刻
  3. 就寝時刻

     睡眠時間は、平日は5~6時間が6割、6~7時間が2割である。起床時刻は、平日は5時~7時にほとんどが起きており、3年生の方がやや早い傾向にある。就寝時刻は、起床時刻と比較して平日と休日の差が少なく、23時~1時の間に、平日は8割、休日は7割の生徒が寝ている。1時以降に寝る生徒が、休日は増え、週明けの疲れにつかながっていると考える。

  4. 居眠りについて
    居眠りをすると答えた生徒は、約2割で、学年別にみるとやや2年生に多かった。時間帯は、午後の方が多いが、半数は、早朝学習やや午前中からと答えており、睡眠が十分ではないと思われる。 理由に、約半数が「疲れている」、3割が「睡眠時間不足」を挙げており、時間は難しいこともあり、『睡眠の質の向上』で改善できないかと考える。

2 生徒徒保健委員会の取り組み

 睡眠と脳についてのテーマで、二高生の睡眠実態について調査し、睡眠と脳の働き、睡眠のメカニズム、居眠りを少なくする方法、脳科学的にみたパフォーマンスが上がる方法などを調査し啓発した。

  1. ムーンムーン株式会社訪問:睡眠改善アドバイザーへのインタビュー
  2. 動画:テーマ:「ホンナこつね!?な新情報~脳と睡眠の驚きの関係~」
  3. 展示:睡眠メカニズム、脳と集中力、脳を活用した勉強法など


3 意見交換(校医、PTA、職員、生徒)
  • 生徒:「睡眠不足でなぜ頭痛が起きるのか?」
    →学校医:体のバランスが崩れるから。
  • 生徒:「睡眠薬には依存性があるのか?病院からの処方薬と市販薬の違いは?」
    →学校医:依存性があり、高校生は使わないでほしい。安易に使いがち。生活のリズムの中で睡眠を確保する努力を。処方薬との差は、処方薬が効くが、薬局のものも使わないほうがいい。どちらにしてもお勧めしない。
    →薬剤師:やめるとき離脱症状がある。市販薬は抗ヒスタミン作用(鼻炎、アレルギーの薬の副作用)を利用。サプリの作用はよく分からないが、安全性、有効性でサプリは安全性の確保していない。
  • 生徒:「本当に眠れないときに、無理して寝ないほうがいいのか」
    →学校医:横になっているだけでも疲れはとれる。テレビ、スマホは見ないほうがいい。
  • 職員:「エナジードリンクの普及について」  
    →生徒:テスト前に友達が飲んでいる。筆箱の中にカフェイン剤入っている人もいる。部活時モンスターエナジーを飲んでいた。ゲームを徹夜でする子が飲んでいた。
    →職員:睡眠の大切さは周知されているが、なぜ睡眠が取れないのか理由を考えないといけない。なにが原因かを検討することも大切。  
    →PTA:下宿をしているが、特にテスト期間はエナジードリンクの空き瓶が多くなる。

 

4 校医より
  • 別の原因があることもある、教育者としての理解を・・・元島先生より
    突然眠くなる病気「ナルコレプシー」などの場合もある。生徒は、理解してもらえないとつらい。画一的な指導ではなく、教育者としては、知っておく必要があり、理解してほしい。助けてやっていただきたい。
  • 昼のブルーライト(青空)は近視を抑制する・・・吉住先生より
    眼科でもブルーライト問題が取り上げられる。ブルーライトは、睡眠と視力に影響がある。2時間以上、青空の下で活動すれば近視を抑制するということも最近報告されている。(1時間以内は効果なし)スマホは、特に目の近くで見るのでブルーライトの影響が大きい。 
  • 日々行うことが大切・・・町野先生より
    自分も完徹したことがあるが、何の役にも立たない。逆算し、日々実行していくことが大切。勉強もスポーツも同じ。今回の機会を生活に生かしてほしい。
  • 眠れないときは、影に病気が隠れていないか受診を・・・熊谷先生より
    耳鼻科の立場から、眠れない時、影に病気が隠れている場合がある。睡眠時無呼吸症候群や花粉症(鼻が詰まる→口呼吸、睡眠の質の低下)。睡眠の質が悪いことでメニエール病や、突発性難聴を引き起こす場合がある。専門医に受診してみること。生活習慣を改め、今回の発表を実践していってほしい。 
  • 薬に手を出す前に生活習慣の見直しを・・・緒方先生より
    以前のアンケートで睡眠薬を飲んでいる生徒がいて驚いた。薬に手を出す前に生活習慣を見直す努力をしてほしい。健康情報が氾濫しているので、正しい情報を見極める力を身につけてほしい。